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読んだ本の感想メモ。思ったことを正直に。(あらすじはアマゾンなどから引用)
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著者/松浦理英子 出版年/2007年

あの人の犬になりたい。そして、人間では辿り着くことのできない、心の深みに飛び込んで行きたい。「自分は犬である」と夢想してきた房恵が、思いをよせる女性の飼い犬となるため、謎のバーテンダーと魂の契約を交わす。ところが、飼い主の家族たちは決定的に崩壊していた。オスの仔犬となった「フサ」は、彼女を守ることができるのか? 『親指Pの修業時代』から14年。今、新たに切り開かれる魂とセクシュアリティ。


帯の宣伝文句ほどおもしろくない

無駄に長い気がします。もっと短くてぱっぱっと読めればそれだけでも助かる。
あまり時間費やして読みたいような物語ではなかった。最初から最後までじめじめしたかんじ。

登場人物にも無駄が多い。結局主役の犬と玉石一家とバーテンだけでいいわけだし。
梓の友人もメールのやりとりだけでそういう友人がいると匂わすだけの存在でも問題ない。
久喜(兄弟)にいたっては完全に不要。人間の頃につながりのあった人物として出したかっただけかもしれないが、物語に重要な役割を持っているキャラではない。これもまた「フサが人間だった頃にかつて肉体関係を結んだことのある男性。ただしその関係は恋愛感情や性的欲求を伴わない不思議な馴れ合いによるもの」くらいの説明つけときゃ事足りる存在。なんらかの回想シーンで出てくるぐらいで充分。

どうでもいいけどこの舞台の町のモデルは犬山市ですかね。本文中にも東海地方と書いてあったけど。
はじめ狗児市という地名が本当にあるかと思ってたら、隣の市とか町に流れてる川の名が全部犬がらみなので創造だということに気づきました。話に無関係なこういうどうでもいいところの架空の名前考えるのって案外楽しいかもな。適当につけてそうで一生懸命考えてそう。

ともあれ、最後は一応ハッピーエンドというか、救いがあるのが救い。ぐじぐじしたまま終わられるよりははるかにましです。
フサが梓に対してもっと切にこもった感情を持っていたらよかったのにな。まぁ人間の頃に出会ってまだ長くなく、友人になったかならないかの付き合いをはじめて数ヶ月くらいという仲なので、そこまで思い入れを持てないのかもしれないが。
フサにとっては梓はあくまでも理想の飼い主というだけで、梓と同じ感覚を持っているのなら彼女以外の人間に飼われてもかまわなさそうともとれる。何か「梓じゃなきゃダメなんだ」っていう思いが伝わってこない。そういうのを持ってないからなんだろうけど。だから早く梓の抱えている困難をとっとと解決して、自分たちだけの平穏な日々を送りたいという気持ちしかないかんじ

「人間では辿り着くことのできない、心の深みに飛び込んで行きたい。」って言うのなら、梓に焦がれてもがき苦しむくらいの描写がほしいと思います。存外淡白すぎる…。
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