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読んだ本の感想メモ。思ったことを正直に。(あらすじはアマゾンなどから引用)
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著者/三浦綾子

結納のため札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車が、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れ、暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた…。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う長編小説。


尊いものとは?

明治末におきたある実話をもとに、愛・信仰・犠牲をキーワードに一人の青年の生涯を描いた小説。
今まで読んできたBLとかにくらべると一気に格調高くなった…そりゃそうです!テーマが違いすぎるよ!ジャンル自体も。

長年心に決めた女性との、ようやくかわすはずだった結納の当日に汽車の事故、そして自らの命と引きかえに乗客全員の命を救った青年…この行動はキリスト教信仰によるものであり、もし彼が信者ではなかったら?同じように行動したのであろうか。
おそらくできないと思う。それほど信仰というものは人間の心に大きな影響、価値観、その人の在り方を決定づける力を持っているということを改めて感じました。
また彼の生い立ちから描かれているので、成長する過程で人間の持つ苦しみに悩み、迷う姿も現実的に表され、生身の温度を感じました。

あと登場する女性たちの言葉づかいや所作が非常に美しい。
昨今の純愛ブームだかなんだか知らんが、これを前にして簡単に愛だのと口にしたり、ましてやブームに仕立て上げてほしくないっつーか、できないと思うところである。

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